[重要]コンフォートゾーンの意味ー”外に出る、抜け出す”は要注意

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✔読者の悩み

・コーチング用語の「コンフォートゾーン」の意味は?
・「コンフォートゾーン」を抜け出して大丈夫なの?
・自分や相手の成長に、コンフォートゾーンをどう使えばいいの?

こういった疑問にお答えします。

✔本記事の内容

  • コンフォートゾーン」の意味を説明します
  • 「コンフォートゾーン」を抜け出す”に注意が必要なわけ
  • 自分や相手の成長にコンフォートゾーンを使う方法

 

✔著者の経験

この記事を書いている私は、
1.プロコーチ歴5年
2.トレーナー歴15年

こういった私が解説していきます。

 1.「コンフォートゾーン」の意味

その①言葉の意味

コンフォートゾーン(Comfort Zone)」は心理学で使われる言葉です。

その人にとって「慣れ親しんだ/心地良よい領域」のことです。

私たちは、皆それぞれ自分の「コンフォートゾーン」をもっています。

その②コンフォートゾーンは何がつくっているか?

「コンフォートゾーン」は私たちの”セルフイメージ(自己イメージ)”が反映されたものです。

”セルフイメージ”には”エフィカシー(自分の能力の自己評価)”が含まれるので、”セルフイメージ”と”エフィカシー”が「コンフォートゾーン」を決めています。

”エフィカシー”についてはこちら

その③コンフォートゾーンの働き

「コンフォートゾーン」は私たちの実際のパフォーマンスを制限しています。

人は「コンフォートゾーン」にいるときは、心身がリラックスした状態になり、思考や運動で高いパフォーマンスが出せます。

逆に「コンフォートゾーン」の外では、心身が緊張し、本人も気づかないミスが多くなったり、身体が思うように動かなかったりと、パフォーマンスが低下します。

これはスポーツ等で見られるホームとアウェイの関係と同じです。

「コンフォートゾーン」であるホームでの試合では、普段から練習してきたことが十分に発揮できるのに対し、アウェイでは緊張や不安を感じ、思い通りに身体が動かず、普段の実力からは考えもつかないような判断ミスや失敗が多くなります。

これは、私たちの「コンフォートゾーン」が私たちの能力の境界線を決め、制限しているということです。

今のコンフォートゾーンに安住する限り、自分を変え、成長させることができないのは事実です。

その④コンフォートゾーンを保つ自己制御能力

私たちの無意識は、コンフォートゾーンの外に出ることで生じる、緊張や不安を嫌います。

その為、無意識レベルでの自己抑制機能を働かせ「コンフォートゾーン」の状態を保とうとします

この「コンフォートゾーン」の自己抑制機能は、本人にとって論理的に考えて望ましくないことに対しても働きます。

例えば、年中、財布の中にお金がない(金欠だ)と言っている人は、口では嫌だ(お金持ちになりたい)と言っていても貧乏な状態の自分が”コンフォートゾーン”です。

もし、このような人が宝くじに当たり、一時的にお金持ちになっても、しばらくたてばお金を使い果たして”コンフォートゾーン”である元の”お金がない状態”にもどります。

これは、普段の成績が30点の人が、たまたま予想があたり90点をとった場合(次回のテストでは点数が30点以下に戻る)や、ダイエット後のリバウンドなど、様々なケースで見られます。

自己制御抑制機能そのものは悪いわけではありません。

しかし、それが自分のパフォーマンスを限定することも確かです。

2.「コンフォートゾーンから抜け出そう」には注意(パワハラかも⁈)

「成長するにはコンフォートゾーンから抜け出さないといけない!」という使われ方を聞いたり、そうネット上で書かれているのを見ます。

職場やチーム内に所属したことのある人なら、上司や先輩の立場で「コンフォートゾーンから出て、チャレンジしないといけないよ」と部下や後輩に言ったり、逆に言われたりした経験があるかもしれません。

ですが、この言い方を現実の場で”そのまま”使うのは、私の経験上からも、2つの理由で注意が必要だと思っています。

理由:その①ー意味がちきんと伝わらない

一つ目は、単純に意味がわからず相手に通じないからです。

上司と部下、あるいはチームメンバーの間で、きちんと言葉の意味と用法が理解されていればよいのですが、同じレベルでの理解は容易ではなく思えます。

例えば、職場でコーチングやリーダーシップのトレーニングが用意されていたとしても、上司と部下では別のタイミングで受講したり、別のカリキュラム内容で実施されるケースがあります。

受講者本人の関心や、講師となる人の教え方のレベルでも理解度は左右されます。

普段から上司と部下の間の意思疎通が良好な場合はそれほど問題ないでしょうが、そうでない場合は本人の意図する通りに意味が伝わるとは限りません。

上司の「コンフォートゾーンから出て、チャレンジしよう!」の言葉が部下にとっては「できることしかやらない今のままじゃダメだな!もっと頑張ってチャレンジしてくれよ」という意味に聞こえる可能性は少なくないでしょう。

理由:その②「コンフォートゾーン」に戻ってしまう

二つ目は、既に書いた「コンフォートゾーン」を保持しようとする力の存在です。

そもそも、私たちは「コンフォートゾーン」にいるときにのみ、安定してパフォーマンスが出せます。

例えば、上司が部下に対して成長を促すつもりで「コンフォートゾーンの外」の仕事をまかせたとします。

ですが、部下は「コンフォートゾーン」の外に出たとたんに、不安を感じ、ミスや失敗を起こします。

無理が続けは体調も壊します。

上司のほうかかあ新しいことに取り組む前向きな提案をしても、それが部下の「コンフォートゾーン」の外にあることであれば、その提案内容を実現する方法を探すのではなく、”できない理由を全力でそれこそクリエイティブに”考え出します。

これは無意識レベルの自己抑制機能ですからしかたがありません。

このように「コンフォートゾーン」への理解が足りないまま「コンフォートゾーンから抜けだそう!」とするならば、精神論や根性論になってしまいます。

コーチングは根性論や精神論ではありません、科学的な方法に基づく方法なのです。

3. 自分や相手の成長に「コンフォートゾーン」使う方法ーずらし(ひろげ)る

では、科学的な方法に基づいた「コンフォートゾーン」を味方にし、望ましい結果だすにはどうすればよいのでしょうか?

答えは、”コンフォートゾーンを外す”、”コンフォートゾーンから外に出”」のではなく、セルフイメージを変え、エフィカシーを高めて、コンフォートゾーンがゴールを達成しているのが当たり前(慣れ親しんだ)の状態になるように”ずらし”、”ひろげる”です。

そうすれば、「コンフォートゾーン」の自己抑制により、私たちの創造的無意識はゴールの実現にむかいフル活動をはじめます。

先ほどの上司と部下の間の会話の例でいうと、「セルフイメージ」が変わり「エフィカシー」が上がり、ゴールへの「コンフォートゾーン」が広がったなら、部下のほうから

「これまでない新しい方法になりますが。このような感じでプロジェクトを組めば、大きなリターンが見込め、うまくいくと考えて計画を作成しました。計画の柱は〇と〇ですが、見落としている点があるかもしれません。アドバイスをお願いできますか?」

のような前向きなコミュニケーションへと変化が現れてくるはずです。

「セルフイメージ」を変え、「エフィカシー」を上げるための、科学に基づいた具体的な方法はたくさんありますので、今回は簡単なステップの紹介にとどめます。

興味のある方は関連する書籍などを読んでみてください。

□ステップ1 「ゴール」の設定

まずは、「ゴール」が必要です。

「ゴール」を正しく設定することで、どのような「コンフォートゾーン」が必要になってくるのかが決まります。

□ステップ2 「セルフイメージ」、「エフィカシー」を高める

「セルフイメージ」、「エフィカシー」を高め、現在の「コンフォートゾーン」を
ゴールを達成している「コンフォートゾー」に向けて広げる(ずらす)します。

□ステップ3 科学的な方法を使う

「セルフイメージ」、「エフィカシー」を高めるには、「アファーメーション」、「ビジュアライゼーション」、「セルフトーク」のコントロールなど、科学的な方法でアプローチします。

さいごに

私たちの潜在能力を生かしてゴールを達成する為に、「コンフォートゾーン」がどういう役割をもっているか、どのようにして使えばよいかをまとめました。

私たちの持つ潜在能力を引き出し、前向きに使うのにとても大切な部分です。

ビジネスやスポーツにおいてだけでなく、学習や子育て、相手とのコミュニケーションの方法など、我々の人生の様々な場面に深く関わることですので是非、理解を深めてください

以上です

さらに深くコーチングについて知りたい方はこちらの書籍を参考にするのがおススメです!

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