[セミナー録②]子育ては頑張らないほうが親にも子にも良い理由

セミナー

本記事では前回のブログの補足として

  • 科学に基づいた子供への愛情の注ぎ方
  • 親自身のゴール設定が決定的に大切な理由
  • について書いています。

前回のブログはこちら

科学に基づいた子供への愛情の注ぎ方

単純に子育ての優先順位を上げる(=ここで言う”頑張る”)ことではない

前回のブログ記事の最後に(子供たちの未来に対して「生きる力」を育むコツは)『科学に基づいた正しい愛情をたっぷりとそそいであげることではないでしょうか』と書きました。

ですがもし、ブログを読んでくださって「子供の為にもっとたくさん時間を使わないといけない!」とか「もっと子供の為に頑張るぞ!」と思ったなら、ちょっと待ってください。

頑張ると他の重要な情報に対する視野が狭まる

親が子育ての優先順位を単純に上げればよいというわけではありません。

子供に関する優先順位の上がり過ぎが、逆向きに作用し、親と子の両方に対し、好ましくない”ココロ”の状態を生じさせることがあります。

なぜなら、自分(親)の中で、子供に対する優先順位が上がり過ぎの状態とは、言い換えると、子供に関する情報に執着し過ぎて、他の重要な情報が認識できにくい状態でもあるからです。

いわゆる「一つのことが気になって、周りが見えていない」状態です。この点は後ほど説明します。

親自身のゴール設定が決定的に大切な理由

まずは親のゴール設定から

子供が大切なのはよくわかります。子育てに対する責任感が大きいのはとても素晴らしいことです。

でも、子供の人生も、親自身の人生もどちらも大切なのです。

脳科学の観点から、ゴールは一つのことだけでなく、複数の”サブゴール”があり、それらが(すべて)バランスよく満たされて初めて幸せを感じることがわかっています。

”サブゴール”には、仕事、ファイナンス、キャリア、子育て、健康、趣味、生涯学習、友人関係、家族(広い意味で)、社会への貢献、などがあります。

子育ての為に、自分のことを考える時間が持てない、たくさんのことを我慢している、あるいは子供のやることなすこと全てが気になって仕方がない状態が続いているとしたら、親も子もどちらも
幸せでないのです。

もちろん、子供が小さい時期は手はかかりますし、目が離せません。

学校に通う年齢になっても、何か悩みを抱えたり、サポートを求めている時にはしっかりと時間をとって子供と接することは必要です。

親よりも子供の為に多くのお金を使う時期も多いでしょう。

しかし、私がここでお伝えしたいのはそういうことではなく、親自身の人生設計の中で、子育てとその他の自分がしたいこととのバランスをほどよく保つゴール設定の大切さ/認識についてです。

バランスが大切な理由

その①視野が狭まり重要な情報を見落とす

では、バランスがほどよく保たれていないと何が問題なのでしょう? 

一つは、先にも書いた視野の問題です。

ゴールの一点に過度に集中(子育てに頑張りすぎている状態)すると、”ココロ(心と脳)”の視野が狭くなります。

”ココロ”は人が見るもの・認識するものを無意識レベルで決めています。

”ココロ”の視野が狭くなると、本来なら子育てにも、自分のキャリアのことにも、友人関係にも、健康のことにもすべてに共通しているはずの全体像が見えなくなり、大局からの創造的な発想ができなくなります。

その②幸せを感じることが難しくなる

二つ目は、一点でうまくいかないタイミングがある(往々にして良い時と、そうでないときはあるものです)と、その一点で幸福感のバランスを支えている為に、幸せを感じることが確率的にも難くなります。

子育てに限らず、何事も予定通りにうまくいかない時期はあります。

逆に、たくさんの心からワクワクするサブゴールがあれば、それらが全てうまくいかないということもあまりなく、幸せのバランスは崩れにくくなります。

部分的にはうまくいっていないけど、残りが総じてうまくいてっている。だから部分的にうまくいっていない部分に、気持ちよく前向きに取り組めます。

その③子供に「自分オーナの生きる力」が育たなくなる

三つ目として、子供自身が、親の目を過度に気にするようになります。

(偏ったゴール設定から生じる)親の一点に偏重した価値基準・生き方を、本人の「ブリーフシステム」としてコピーしてしまいます。

その結果、極端な例ですが、子供が「学校で良い成績をとることが一番大切なんだ」のような狭い価値観の形成を促します。

前回のブログで書いたように、これでは「自分オーナの生きる力」は育ちません。

自分自身で心からワクワクすることを発見し体験する経験(趣味など)が子供の頃にないと、大人になってもやりたいこと(=ゴール)が見つけにくくなります。


このような理由で、子育ての期間であっても、いえ、子育てへの周囲からのプレッシャーなどの要因も含め、優先順位が上がり過ぎになりがちな期間であるからこそ、まずは親自身の人生のゴールをバランスよく設定し、実践する必要があるのです。

まずは親が「自分オーナーの生きる力」をしっかり持てているかです。子供よりも毎日ワクワクしているかです(ぜひ、ワクワクしちゃいましょう、笑)。

バランスの取れたゴールを持つ親の生き方・考え方は必ず子供に伝わります。

子供の”ココロ”に「親にも親のゴールがあり、その上で自分がゴールに向かうのをサポートしてもらっている。

自分もまた親のゴールを達成するお手伝いができる大切な存在である」自覚と責任感が育ちます。

最後に

子育ての期間は、子供たちの世代が持つ、様々な新しい価値観を尊重し、自分が心から望む生き方に包摂しながら歩む刺激にあふれた時期です。

刺激は変化へのスパイス。 子育てを通してこれまで思いもつかなかった人生のゴール(サブゴール)の発見もあることでしょう。

親がキラキラと輝く姿を子供にどんどんみせていきしょう!

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